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初心者でも簡単にできるヒートプレスの方法


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以下のstudio TOFUさんのブログ記事を読み、呼ばれたような気がしましたので…勝手ながら…。

 

tofu56.info

 

個人的な見解ですが、入門者・初心者でも比較的に簡単にできるヒートプレスのやり方・方法の解説です。

 

目次

 

ヒートプレスとは?

 

1980年代のコミックボンボン誌で、プラモ狂四郎やヒゲのプラモ怪人さんのSFプラモマガジンを愛読されていた方なら、ヒートプレスは必修の技法だったと思います。

 

ヒートプレスとは、模型工作の世界では、樹脂版を熱して(ヒート)軟化させ、型に押し付けて(プレス)加工する技法のことです。

 

必ず透明な0.3mmの塩化ビニール板を使うこと

 

初心者がヒートプレスを成功させるコツは、透明な薄い塩化ビニール樹脂(PVC)の板を使うことでしょう。

 

薄い塩ビ板については、姉妹ブログでも記事にしています。

 

mini-mono.hatenablog.com

できれば、0.3mmくらいの塩ビ板が理想です。100円ショップで売っている下敷きなどは、塩ビ製が多いですね。(最近は、塩ビでなく再生PET樹脂も多いようですが…。)しかし、下敷きの厚みは約0.7mmほどで、初心者のヒートプレスには向きません。

 

透明な薄い塩ビ板を推奨する理由としては…

 

  1. 塩ビは比較的低温(50℃くらい)で変形しやすい
  2. 透明だと型が隠れないので加工しやすい
  3. 薄いと熱を通しやすい
  4. 薄いと型取りして形状を出しやすい

 

以上、4つのメリットがあげられるでしょうか。

 

ちなみに、100均などにて薄い塩ビ(PVC)板を探す場合は、クレジットカードやキャッシュカードが役に立ちます。キャッシュカードなどは、規格により厚みが、0.76mmと決まっていますので、キャッシュカードと厚みを比較して、同じようであれば0.7~0.8mmくらい。カードよりも少し厚ければ約1mm。カードの半分くらいであれば、厚さは0.3~0.4mmくらいと目安にできます。

 

 

PET板はNG

 

PETボトルの素材として有名なPET(ポリエチレンテレフタラート)も、透明な樹脂素材として広く使われていますね。私も、2段階で加熱工作する場合は、PET板でヒートプレスを行いますが、基本的には塩ビ板しか使いません。

 

PET樹脂は、耐熱温度が高いので、熱加工しにくいですし、(A-PET素材の)PET板は、加熱すると白濁・白化するので、透明物の工作は難しいでしょう。(PET-Gの樹脂板が入手できる方は、白濁の心配は要らないでしょうが…。)

 

型はテーパー状にする

 

これはヒートプレスに限りませんが、型はテーパー状にしてください。テーパーについての説明は、以下の姉妹ブログに…。

 

mini-mono.hatenablog.com

 

また、最初は簡単な形状で、厚みの薄い物からヒートプレスするとよいでしょうか。厚みのある物は、難易度があがるので…。

 

型は画用紙で作る

 

ミニチュアフードがメインのブログなので、透明な丸い食器・容器を作りましょうか。

 

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ダイソーで買ったA4サイズ20枚入りの画用紙1枚を取り出し、コンパスカッターで、任意の大きさの円形をくり抜きます。

 

 くり抜いた円形を重ねて、3段階状の型(オス型)を作りました。

 

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横から見ると、以下のような構造です。

 

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計9枚の画用紙を重ねています。ちなみに、接着は木工ボンドを使いました。

 

できあがった皿の型を、粘土状シリコーンで型取りしましょう。

 

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 なぜ、画用紙を使うかと言いますと、工作が簡単なことと、意外に熱に耐えてくれる素材なので。

 

 作業は木製かMDF製の板の上で

 

私がヒートプレスを行うテーブルは、天然木のテーブルです。天板が、ガラス製のテーブルや、木目調の塩ビシートが貼ってあるテーブルなどでは、この方法のヒートプレスは避けてください。加熱により、ガラスが割れたり、塩ビシートがはがれたりする危険性があります。

 

今回は、テーブルに網目状のゴムマットを敷き、その上にMDF材の板を載せて作業しました。MDF製の板でなく、「まな板」でもOKです。まな板もMDF板も、100均で売っていますね。

 

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MDF板の中央に、皿の型を置きましょう。

 

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その上に、透明な塩ビ板を置き、塩ビ板の四隅をマスキングテープで固定します。(慣れてくると、対角線の2か所だけの固定でもOK。)

 

使うマスキングテープは、スリーエム社(もしくはタミヤ社)製が最良です。

 

加熱にはエンボスヒーターを使う

 

今回のヒートプレス法の最大のキモは、「エンボスヒーター」を使うこと!

 

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ドライヤーのような形ですが、200度を超える熱風を出す機械です。

 

もともとは、エンボスアート用の加熱装置(ヒートツール)ですが、硬化前のレジンの気泡を(加熱によって)消したり、熱で縮むプラバン工作にも活用できたりしますので、買って損のない工作ツールの1つでしょう。

 

予算がある方は、温度調整機能付きのエンボスヒーターもよいと思いますが、ヒートプレス用なら、200~250℃の熱風が出る機種なら、何でもOKです。

 

ちなみに、もっと高熱を発するヒートガンというツールもありますが、ミニチュア工作で使う機会は少ないでしょう。

 

加熱時には換気やマスクは必須

 

火であぶるよりも、エンボスヒーターを使うほうが、より安全性が高いと思いますが、プラスチック類は熱すると有毒なガスが発生しますので、周囲の状況や換気にご注意ください。マスクやゴーグルなども着用されたほうがよいでしょう。やけど防止には、皮手袋かゴム手袋の着用もおすすめします。

 

加熱のコツは…?

 

さて、固定した塩ビ板を、エンボスヒーターの熱風で加熱しましょう。

 

 

カメラ撮影のため、斜めに傾いていますが、実際は、真上から垂直に熱風をあてます。

 

加熱に関して、初心者は、どうしても中心を加熱しがちです。

 

以下の図は、黄緑部分が塩ビ板で、赤い部分が加熱部分。

 

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こういった加熱の仕方も、ヒートプレスが失敗しやすい原因の1つでしょうか。

 

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中心だけでなく、周囲も加熱させる意識をもって、塩ビ板全体に熱が通るようにしましょう。

 

加熱の加減は、いろいろと試してみてください。加熱不足も失敗の主原因です。

 

エンボスヒーターであれば、塩ビ板を必要以上に加熱し過ぎないので、かなり初心者向きでしょう。焦がす心配もありませんし、やり直しも簡単です。

 

加熱後はすぐにプレス!

 

さて、加熱が完了したら、すばやくシリコーン型(メス型)を押し付けて、プレスします。

 

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透明な樹脂版であれば、この作業は比較的に楽なはずです。 しばらく押し付けたら、樹脂版が冷えてくるので、シリコーン型をはずします。

 

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これで、ヒートプレスは完了です。お疲れさまでした!

 

最後に…

 

最終的に、やすり等で整形すると、お皿や容器の完成です。

 

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ちなみに、こういった段階の形状にした理由としては、外周部分の整形場所によって、ワンサイズ下の皿がつくりやすいというのも、理由の1つ。

 

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図解すると、赤線部分で整形すると大きな皿が、青線部分で整形すると小さな皿ができあがります。1つの型(オス型)で、こういったバリエーションも持たせることが可能です。

 

詳しい方法は省きますが、型とエンボスヒーターの使い方によっては、最初から円形にくり抜いた塩ビ板を、丸い皿に加工することもできます。円形にやする作業が苦手な方は、ぜひこの方法を考えて、挑戦されてください。